2022年6月17日、風車メンテナー専門トレーニング施設「FOMアカデミー」の開校式が行われました。
福島県福島市の公有財産活用事業に参加し、廃校となった旧茂庭小学校を利活用事業者として2021年7月正式に市から理事企業の株式会社誠電社(福島市)が譲り受け国際水準の安全・技術トレーニングを提供する場として改装し、FOMが運営を行うFOMアカデミーが開校致しました。
全国で風力発電の導入が進む一方、人材不足が課題となっている保守・点検分野を担う技術者の育成施設として活動してまいります。
大型風車は海外メーカーが大半でメンテナンスには非営利組織GWOの定める国際規格のトレーニングの受講が推奨されています。
GWO認証施設があるのは国内では青森県、福岡県の2ヶ所のみで、本校は3カ所目のGWO認証施設としてGWO認証を進めています。
8月からはGWO-BST(基礎安全訓練)の受講が始まる予定です。
体育館には約10mの高所訓練用の設備を建設し、グラウンドには実際に稼働していた風車を再生した実機風車模擬訓練設備や消火訓練・脱出訓練(スモークルーム)設備を設けました。
新規参入企業や業界未経験者・学生を対象とした基礎安全教育から、年度ごとにレベルを上げた研修を行っていきます。
開校を記念してテープカットも行われました。
写真左から
・経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部
新エネルギー課 風力政策室 室長
・福島市長
・一般社団法人ふくしま風力O&Mアソシエーション 代表理事
(株式会社誠電社 代表取締役)
・福島県 商工労働部 再生可能エネルギー産業推進監 兼 次長
・一般財団法人 日本海事協会 事業開発本部 海技部 部長
開校式の後、GWO-BST(基礎安全訓練)のデモンストレーションを行いました。
①高所作業(Working at Heights)
②マニュアルハンドリング(ManualHandling)
③初期応急処置(First Aid)
④火災予防と消火(Fire Awareness)
実機風車模擬訓練設備にはブレードリペアゴンドラを設置して、実際に昇降させました。
ロープワークによるブレードリペアは技術習得が難しく、危険性も高いため、当校ではゴンドラを使用したブレードリペアを研修していく予定です。
風車増速機ギヤオイルポンプ車の実機も展示しました。陸上風車のオイル交換はもちろん、ユニットを船に搭載すれば洋上風車のオイル交換にも対応できるため、今後のメンテナンス研修にて使用方法も行う予定です。
「風車メンテナー専門トレーニング施設 FOMアカデミー」は所属、年齢、国籍やジェンダーを問わず質の高い学びを提供します。
風力発電産業のメンテナンス技術者の方を育て、風力発電産業か抱えるメンテナー不足の問題解決を目指していきます。
安心安全なエネルギーインフラを守るメンテナンス技術者の方の育成を通し、風力発電産業から脱炭素社会実現を目指していきます。